心臓病治療のプロフェッショナル
当院では、動物の高度な心臓病治療・検査が可能となっています。
院長は、北海道では数少ない日本獣医循環器学会の認定試験に合格した認定医であり、現在は心臓手術の症例数が世界一のJASMINE動物循環器病センターの研究員となり、先天性心疾患や僧帽弁閉鎖不全症などの心臓手術を行うチームの一員でもあります。
今までは動物の心臓病の手術を行う場合、技術と設備のある関東地方の病院へ行っていた飼い主様も、地元の北海道で高度な心臓手術を受けることができます。
心臓病治療
心臓病と言ってもたくさんの種類の心臓病があります。様々な検査を行うことによって、心臓のどこが悪いのかを見つけ出し、治療を行う必要があります。治療には内科的治療と外科的治療がありますが、外科的治療には人工心肺を使った体外循環によるものと、体外循環を行わずに開胸手術をおこなうもの、そして開胸せずにカテーテルを使った低侵襲のインターベンションがあります。動物にとってどの治療がベストなのかを常に心がけています。
■ 体外循環
心房中隔欠損症、心室中隔欠損症などの先天性心疾患と慢性の僧帽弁閉鎖不全症に対しては心臓を止めて整復手術をおこなう必要があります。しかし、その間にも全身の臓器に血液を送り続けなくてはなりません。そのため体外に人工心肺を設置し血液に酸素を与え、全身に循環させながら心臓の手術をおこないます。
■ インターベンション(カテーテル)
動脈管開存症、肺動脈弁狭窄といった先天性の心疾患では太ももの血管(大腿動脈や大腿静脈)や首の血管(頸動脈や頸静脈)からAMPLATZER(アンプラッツァ)やバルーンカテーテルといったデバイスを挿入し、X線透視装置のもとで治療を行います。傷口はわずか2~3cm程のみになりますので、体にも負担が小さい手術になります。
心臓ドック
当施設では、心臓の検査を総合的に行い、診断を行っています。
心臓ドックは、完全予約制となっておりますので、必ずお電話での予約をお願いいたします。
検査は休みながらゆっくりと時間をかけて行い、できる限り動物に負担がかからないように行うため、どうしても検査には時間を要してしまいます。そのため、平日の9:00に来院していただき、お預かりの後、夕方にお迎えとなります。また、すべての検査で、麻酔や鎮静を使うということはありませんので、ご安心ください。
[近隣の動物病院の先生へ]
当院にて、専門的な心臓検査を行います。必要に応じてご依頼ください。 Tel.011-766-1122
■ 検査の流れ
1. 診察
問診・視診・触診・聴診によって一般状態を診ます。
2. レントゲン検査
レントゲン撮影により、心臓全体の大きさや肺や気管の状態を診断します。リアルタイムに撮影画像を映し出す、透視撮影も行えます。
3. 心電図・心音図検査
心雑音の記録と心電図の波形を記録し、不整脈の有無を調べます。
4. 血圧測定
動物がリラックスした状態で、血圧を測定します。
5. ホルモン測定
血液を採取し、ANPとNT-proBNPの測定を行います。これらのホルモンは心臓特有のホルモンで、心臓に負担がかかると上昇すると言われています。
6. 心エコー図検査
心臓の動き・心筋の厚み・弁の状態・血液の流れなど、心臓の中の状態を詳しく調べることができます。正しく検査するために胸の毛を刈らせていただきます。
心臓ドックにより下した診断に応じて、必要な内科的治療・外科的治療を行います