動脈管開存症(PDA)
動脈管は、子犬や子猫が母親のお腹の中にいる時に必要な血管で、肺動脈と大動脈をつなぐ小さな血管のことをいいます。胎児期には肺が働いていないため、肺にはあまり血液を流す必要がありません。ですから動脈管は、肺には血液を流さず、全身に新鮮な血液を流すために必要となります。しかし、子犬や子猫が生まれ、肺で呼吸をするようになるとこの動脈管は必要がなくなるため、生後1〜2日ほどすると完全に閉じてしまいます。動脈管開存症(PDA)とは、動脈管が自然に閉じずに残ってしまう先天性の心臓病です。約70%の症例が18ヶ月以内に死亡することから、早期に治療する必要があります。治療には胸を開いて動脈管を直接結紮する方法と、後肢の血管からカテーテルを挿入して動脈管を閉塞させる方法があります。